キャブレターについて

ガソリンを霧状にして燃えやすい状態を作り、空気と混ぜるパーツ。

理論的には、1gの燃料を完全に燃焼させるのに14.7gの空気が必要で、この割合で混ぜればもっとも燃えやすく、ムダのない状態となる。

実際は、運転状態や気象条件で若干異なってくるが、キャブレターはこの割合を目安にガソリンと空気を混ぜている。

 


 

 

■ キャブレターのうんちく

キャブレター内を空気が通過する際に、ガソリンを吸い上げる力とそれを霧状にする力が発生するのだ。また、スロットルで操作しているのはガソリンの供給量ではなく、キャブレターを通過する空気の量である。

たとえばスロットルを「全開」にすれば、
空気の通り道に設けられた弁が最大まで開く。すると、空気の通過速度が速くなり、それに合わせて燃料を調節しているピストンバルブが開いていくという仕組み。

おおまかな原理は、霧吹きや、吸い上げ式のスプレーガンと同じ原理。

キャブレターに供給される燃料はボウルと呼ばれる部屋に一時貯まる。ボウルは開放構造で内部は大気圧に保たれている。
常に燃料に浸かる場所には燃料の取り込みを制限するジェットと呼ぶ小穴があり、その先は複雑な形をしたチューブでポートにつながっている。

一方、エンジンの回転に伴い、ポンピングにより発生した負圧によりキャブレターに吸い込まれる空気は、ベンチュリと呼ばれる流路を絞った部位を通過する。

そのベンチュリ部では、いわゆる「ベンチュリ効果」により空気の流速が上がり、大気圧より圧力が低下する(低下の度合いはベルヌーイの定理によりわかる)。圧力が最も低くなる場所に、前述のポートがある。ポートは通常小さな穴、もしくは溝状である。こうしてポート付近に大気との圧力差が生まれることでボウルの燃料はチューブ内を突き進み、ポートから霧吹きのように拡散して、混合気が作られる。

   フロート系統:

フロートチャンバー(フロート室、フロートチャンバとも呼ばれる)、フロート(浮き)、フロートバルブ(燃料流入量調節バルブ)で構成され、フロートチャンバーは作動原理の中のボウルに相当する。
燃料ポンプの働きでフロートチャンバー内に燃料が送られると、フロートが上昇する。
持ち上がったフロートはフロートバルブを押し上げ、燃料流入通路を閉じる。
燃料が消費され、フロートチャンバ内の油面が下がると、フロートも下がり、フロートバルブが再び開く。この一連の動作により、燃料流入通路の開閉を常に繰り返し、フロートチャンバー内の油面(液面)を一定に保つ役割がある。

   メイン系統:

中速回転(パーシャル=部分負荷域)から高速回転(フル=高負荷域)における燃料の計量などを司る。
メインジェット、メインジェットホルダ(メインエアブリードと一体)、ジェットニードル、ニードルジェット、メインエアジェットで構成される。
   スロー系統:

アイドル時や低速回転時の燃料の計量などを司る。スロージェット(または、パイロットジェット)、スロージェットホルダ、バイパスポート、アイドルポート、スローエアジェットで構成される。

   スターター系統:

エンジン始動時の燃料の計量などを司る。チョーク弁機構もこの系統である。

フロート系統以外はエンジンの状態に適した混合気をシリンダーに供給するために分かれている。フロートチャンバーから吸い上げられた燃料は、ブリードで空気を混入され、各系統のポートからメインボア内に噴出する。これが空気の流れによってシリンダー内に導かれるが、この時はまだ燃料は気化されておらず霧状である。その後、圧縮行程時の熱によって一気に気化して混合気となり、燃焼に適した均一な状態となる。

 

 

ベンチュリ形式

・固定ベンチュリ型
ベンチュリ部を通過する吸気速度が燃料の吐出量を決定するタイプ。高性能エンジン用のウエーバーやソレックスをはじめ、多くのアメリカ車と日本車の一部のダウンドラフトキャブレターに見られる。

・可変ベンチュリ型
吸気通路の開口面積をピストンバルブやフラットバルブで変化させる方式。エンジン回転の全域にわたって適切な吸気速度が得られる。CV型とVM型の2方式に大別される。

・CV型
CV(Constant Velocity または Constant Vacuum)型では、アクセルワイヤーは空気の流量を調整するバタフライバルブのみを操作する。ベンチュリ部はバキュームピストンによって形成され、その下端には穴が開けられている。バキュームピストンには膜が付いており、膜の片側にはベンチュリ部の負圧がかかり、反対側は大気に開放している。バキュームピストンはバネで支持され、バネの力と負圧のバランスでベンチュリ径が自動的に決まり、その後は流速がほぼ一定になるように自動調節される。ベンチュリ径が運転者の操作で直接変化しないため、操作に対しては寛容だが、その分レスポンスが悪い。SU式
が代表的。

・VM型
VM (Villiers Monoblock または Variable Manifold) 型は、アクセルワイヤーが直接ピストンバルブを操作するため、空気の流量調整と同時に、ベンチュリー部の口径を直接変化させることになり、鋭いレスポンスが得られる一方、開け過ぎると空気の流速が低下して燃料の供給が滞るなど、運転者の技能によって大きく性能が左右される。ピストンバルブ式とも呼ぶ。なお強制開閉式と呼ばれることも多いが誤りである。強制開閉式とは スロットルバルブの閉じ側もワイヤー等により確実に操作できる方式のことを指す。

現状

最近の四輪車・二輪車は、排ガス規制への対応もあり、キャブレターではなく、燃料噴射装置(フューエルインジェクション)を採用するものが増えている。2008年現在、乗用車、商用車に関わらず新車で購入可能なガソリン四輪車では軽自動車を含め、キャブレターを搭載したモデルは完全に姿を消している。排ガス規制の対象外で、もっぱらキャブレターが使われていた原付を含む二輪車も、2006年から排ガス規制の対象となり、キャブレターから燃料噴射装置への移行が順次進められている。

燃料噴射式は、流入空気(酸素)量と排気ガス中の残存酸素量、オルタネーター、エアコンコンプレッサー、パワーステアリングポンプなどの負荷変動を、コンピュータがセンサーにより絶えず検知し、供給燃料の無駄を減らし、かつ、三元触媒が効率良く働く空燃比としているのに比べ、キャブレターの燃料供給量は、メインボア内の負圧と、各種ジェットによる規制で決めているため、その量はかなりアバウトであり、燃費と環境対策の対応は難しくなっている。昭和53年規制適合車(乗用車の認定型式が「E-」ではじまるもの)までは見られた形式であったが、制御技術の進化により、90年代に入るとインジェクション車が大半を占めるようになった。

二輪車でも大型車を中心に燃料噴射装置を採用している車種が増加しているが、四輪車に比べ趣味性が強いこともあってか、アバウトであるが故のキャブレター独特の粗野なフィーリングにも根強い人気がある。スロットルを回すとダイレクトでエンジンに反応があるのも人気が衰えない要素の一つと思われる(FI車はスロットルを回すと、エンジンが反応するまでに極々僅かではあるがタイムラグが生じる)。

航空用レシプロエンジンにはキャブレター、インジェクター(インジェクション = 燃料噴射式)のいずれの方式を使うものもある。

一般的にキャブレター方式は燃料噴射式に比べ、電気が不要で、構成部品が少なく、製品コストも低い特徴を持つ。磨耗や折損などの機械的トラブルがあるものの、電気的トラブルは通常無いため、用途によっては進んで導入する価値がある。このため、チェーンソーや刈払機などのエンジンでは、依然としてキャブレターが使われている。

また、構造に対する知識と整備の心得があれば、個人でのメンテナンスやリビルドも十分可能であり、エンジン出力をコントロールする感覚が楽しめることと相まって、二輪やクラシックカーなど、趣味の世界では、いまだ主流となっている。

一方、一般の自動車修理サービス業での現実は、自動車(四輪車)のほとんどすべてが燃料噴射式に切り替わってしまった(自動車の新車でのキャブレター採用は、一部の小型登録車【主に1500cc以下のクラス】や軽自動車の安価な機種に電子制御キャブレターが使われていた1990年代が最後となった)ため、新車を主に扱う自動車ディーラーだけでなく、幅広く車を扱う専業の自動車整備工場であっても、キャブレターを整備する技術が維持継承されているところは少なくなってしまった。

ある程度年配のドライバーになると、「アクセルを数回踏んでから(エンジンが冷えている状態ではアクセルを3~4回踏み、エンジンが暖まっている状態ではアクセルを全体の約1/2程度を踏みこむ)」セルモーターを回す人がいるが、キャブレター車時代の名残である。 オートチョーク機構の作動の為、このような「儀式」が必要であった。

特有の不具合

キャブレター車特有の不具合として、イグニションスイッチを切ってもエンジンが止まらない現象=ラン・オン(run on)が発生することがある。これは長年の使用によりエンジン燃焼室内にカーボンが堆積している車に時折見られるもので、スパークプラグの点火が止まってもカーボンの燃焼が火種となって混合気の燃焼が継続し、それによりエンジンが回り吸気が続くためキャブレターからの燃料供給が止まらず、結果、エンジンが止まらなくなるものである。この現象が発生した時には、サイドブレーキを引きフットブレーキも踏んでから、雑にクラッチをつないで故意にエンストを起こして止める方法がある。点火プラグによ
らない爆発であることから、「ディーゼリング」と呼ばれることもある。

 


 

■ 有名なキャブレターメーカー

【ソレックス】
大元はイタリア製。日本のミクニがライセンス生産している。
当時 ほとんどの国内メーカーで純正採用されていた。
「ソレ、タコ 、デュアル」 なんて言葉も うまれたほど旧車ファンには根強い人気!

【ウェーバー】
イタリア製。現在はスペインで生産されている。
国内自動車メーカーでは 日産が54スカイラインに純正採用していた。

【ミクニ】
日本では有名。ソレックスと提携し「ミクニソレックス」タイプもある。

【OER】
純国産メーカー
パイロットジェット や ベンチュリー などウェーバーのパーツが流用できる 。
メインジェットやエアジェットは ソレックスの物も 使用出る、まさにいいとこ取り(笑)

【デロルト】
イタリアのメーカー。TRDがトヨタ向けオプションで使ってた。
イタ車や英車乗りの方には人気!

 

参考資料:ウィキペディア、他キャブレター専門店、専門サイト、専門文献   ありがとうございます。



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